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なかもとと友かな

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ご存じアプリコット出版筆頭著者。 元AIM English Studio (大阪・堺市)主宰。 Learning World series、『キッズ英語絵本シリーズ』等アプリコット出版刊行物多数。 幼児・小・中・高・大学・大人と全年齢層の英語教育実践家で児童英語教師のカリスマ的存在。 APRICOT児童英語教師養成講座講師。Learning World 認定校スーパーバイザー。
  • Vol.6 英文読解ってなんですか?  

    In the box below, draw two vertical lines to make three new boxes that are the same size.Then draw a horizontal line through the middle of all the boxes.This will make six new boxes that are the same side.

    このような英文を見たら、皆さんはどうしますか。
    日本人の生徒にこの英文を見せた時のことです。 読んでいる様子はありますが、それ以上のリアクションがありません。
    「どうしたの?」と私。「ちゃんと訳せました」と彼ら。
    「だから、それから?」と私が尋ねても、「だから訳しました。訳はこうです。
    『下記の箱の中に,同じ大きさの新しい3個の箱ができるように、垂直の線を2本描きなさい。それから、すべての箱の真ん中を通って一本の平行の線を書きなさい。これは同じ大きさの6個の新しい箱を作るでしょう』 です。完璧!」
    ・・・ 私はますますわからなくなって「だから、どうするの?」・・・
    学生達も混乱して「先生、何が言いたいの? この訳完璧でしょ?」
     
    ここでやっと合点がいきました。学生達はこのような英語の授業を6年間受けてきたのです。つまり、生活の中の言語としてではなく、教科としての英語、言い換えると日本語に訳しても、その“意味”を取らなくてよい英語教育です。だから、「線を描きなさい」という訳はできても、自分達が実際に線を描くことは、彼らには考えもつかないのです。
     
    小学生のクラスで、先生が“Jump!” と言った時、子ども達が身動きひとつせずに「跳べ!」と訳を叫んだら、奇妙ですね。 中学校、高校ではこの奇妙なことが、普通に英語の授業でおこなわれているのです。英文を日本語に訳すだけの授業ではなく、その英文の中の情報をとって理解し、実際に役立てる授業にするべきだと考えた私は、毎回授業に、ノンフィクションの英文を作っていくようになりました。
     
    例えば、“眠りについて”の文を読み、「人間は眠るとどんな現象が起こるでしょう。 現象を3つ英文と日本文で書きなさい」「眠れない時の対処法を4つ英文と日本文で書きなさい」といったような設問を作ります。 
     
    「スコーンの作り方」でもよいですし、「なぜ、うるう年があるのか」「日本の貿易」「犬と泊まれるホテルの規則」でもよいでしょう。 ただし、そのあとの設問は、「(  )の中に適当な英語をいれましょう」や「下線部を訳しましょう」ではなくて、
     
    ・スコーンの作り方を英語で説明(口語)してください。 
    ・うるう年とは何か、どうして必要かを英文で説明してください。 
    ・日本の輸出のトップ5は何ですか。 
    ・犬と一緒にホテルに泊まるにはどんなルールをまもらなければなりませんか。
     
    といった内容に関するものにします。 英語で説明した後は、日本語を使って言わせてみましょう。内容を十分理解した後なので、訳すのではなく、自然な日本語に置き換えることができます。
    “Preheat the oven to 175°C.” 「あらかじめ、オーブンを175度に暖めておくこと!」
    “should be trained not to bark unnecessary” 「無駄吠えしないようにしつけておくこと!」
    ・・・学生達の目が輝いています。

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