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なかもとと友かな

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ご存じアプリコット出版筆頭著者。 元AIM English Studio (大阪・堺市)主宰。 Learning World series、『キッズ英語絵本シリーズ』等アプリコット出版刊行物多数。 幼児・小・中・高・大学・大人と全年齢層の英語教育実践家で児童英語教師のカリスマ的存在。 APRICOT児童英語教師養成講座講師。Learning World 認定校スーパーバイザー。
  • Vol.3 ラーニングワールド改訂で、私が一番こだわったこと。  

    2006年から始まり足かけ4年にわたって携わってきたLearning World Book 1,2,3の改訂がやっと終わりました。テキスト、ワークブック、音声、カード、教具、指導書と、新刊ではないけれど1冊1冊緻密な打ち合わせと時間がかかる膨大な作業です。
    制作スタッフも、著者である中本、内容を吟味し先生方のニーズに合ったものかを調べる編集部、個々の絵を描くイラストレーター、イラストを総合的にまとめるデザイナー、録音に関わるタレント、録音からCD制作まで行うスタジオのスタッフ、ミュージシャン、印刷、製本と本当に多くの人が1冊のテキストに関わっています。改訂版の指導マニュアルには、使い方が一目でわかるように、コマ送りの写真を入れましたので、撮影部隊としてカメラマンやモデルも加わりました。

    図5 指導書カラー 

     

    この改訂で私が一番こだわったのは、ラーニングワールドの基幹である、コミュニケーションタスクを持つ活動を各レッスンに入れること(Task-based Learning)です。
     
    『英語教育用語辞典』によりますと、Communication Taskの条件としては次のものがあります。

    ・学習の目標として到達すべき特定の到達点や目標が設定されている

    ・目標言語を使って情報交換をしなければ、タスクを遂行することができない

    ・実際のコミュニケーションと同じ、もしくは似ている作業である

    ・タスクの内容は現実の社会生活と深く関連したもので、学習者の知的関心に合ったものである。

    ・タスクを主体的に行うのは教師ではなく学習者

     

    わかりやすくするため日本の英語教育で取り入れられているPPPと比べながら説明しましょう。
    PPPでは、まず教師がレッスンのターゲットの文(文法)を提示します(Presentation stage)。次に、先生の後についたり読んだり、ペアになって音読練習をターゲットの文が正しく言えるようになるまで行います(Practice stage)。 この活動は、パターンプラクティスや文の前半と後半をマッチさせて文を作る、質問して文やダイアログを完成させるような作業です。3つめのProduction stageはターゲットの文や既習の文を使う練習です。
     
    一方、Task-based Learningでは、タスクを行うことがレッスンの目標となります。
    目標を解くために必要な新出、既習の語彙、文を提示し、タスクについての説明をします(Pre-task)。情報交換をしながらタスクを解きます。結果をクラスで発表する準備をし、クラスで発表します(Task-cycle)。最後にタスクの解決過程で使った語彙、文を分析し練習します。
     
    ラーニングワールドBook1, 2, 3 の改訂版では、このTask-based Learning を基に、日本の子ども達に合うタスクを作りました。
    たとえば、

    ・ターゲットの文(語彙)を使って質問しながら1つの情報源を当てる活動。
    ・みんなで意見を出し合って作り上げる活動。
    ・3人以上の人が各自違った情報を持っていて、それらを合わせて一つの答えを出す活動など
    です。

     

    その後、生徒1人1人がターゲットの文を使って自分のことを発表します。Post-task はターゲットの語彙や文の定着をチャンツで効率よく覚えられるように工夫しました。

    Jane Willis のFramework と 中本が考えた日本の子ども達のためのFrameworkは次の通りです。

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    実際の状況を無視した、ターゲットセンテンスのパターンプラクティス中心のテキストが今でも大半を占めていますが、使用目的のない言語はありません。 Meaningful purposeを持たないパターンプラクティスをどれだけ練習しても、英語を使えるようにはならないのです。ここに日本の英語教育の問題点が隠されているのかもしれません。

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