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なかもとと友かな

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ご存じアプリコット出版筆頭著者。 元AIM English Studio (大阪・堺市)主宰。 Learning World series、『キッズ英語絵本シリーズ』等アプリコット出版刊行物多数。 幼児・小・中・高・大学・大人と全年齢層の英語教育実践家で児童英語教師のカリスマ的存在。 APRICOT児童英語教師養成講座講師。Learning World 認定校スーパーバイザー。
  • Vol.39 28年前の私からのプレゼント ―あなたへのおくりものー

    2023年も気が付くと2月になりました。年が新しくなると “今年こそは” と新しいことを始める(始めようとする)人が多い中、不肖中本、ちょっと早く昨年10月からピアノを習い始めました。小学校以来ですので、楽譜も読めず、指も動かずの状態からの再スタートです。

     

    「ラーニングワールドシリーズや絵本シリーズでたくさん作詞作曲しているではないですか」

     

    そうなんです。確かにたくさん作りましたが、楽譜を読めない書けない私は、まず、電話の前で編集長の新井氏に向かって歌って伝えていたのです。「先生は歌うたびにリズムどころか音程まで違う」と悪態をつかれながらも、電話に向かって必死に歌うのです。その後、絶対音感を持ちピアノも上手な新井氏がその曲を譜面に起こし、プロの音楽家が編曲、伴奏をつけて、プロのシンガーが歌うと、私のつたない曲でも、あらびっくり、皆さんご存じのとても楽しい歌になるのです。

     

    そんな私ですが、70歳を超えて一念発起、ピアノを習い始めました。 「そうですか、英雄ポロネーズを弾き終わった後の快感はピアノならではですものね!」と新井氏。 むっ!こちらは、ぶんぶんぶん はちがとぶ を必死になって練習しているのに。

     

    でも、やはり家で練習できるようにピアノが欲しくなりました。電子ピアノとはいえ、音の良いものを、となると決して安い買い物ではありません。 今更この歳でピアノなんて高価なものを買ってよいものか・・・分不相応ではないのかと随分悩み、姉に相談することにしました。 すると電話口の姉は笑いながら、「28年前、あなた同じ電話をしてきたよ」と思いがけないレスポンス。そうです。28年前、私はショーウインドーの中のRolex を凝視しながら、「私にRolexを身につける価値があると思う?買っても神様は許してくださると思う?」と真剣な面持ちで姉に電話をしたのでした。

    その後、そのRolexくん(なぜだか男性)は講演をする私と一緒に日本中を回りましたが、私が歳をとるにつけ軽い電波式の腕時計を使うようになり、クローゼットの中で眠ったままでした。

     

    「そうだ! あれを売ってピアノを買おう!」 そうすれば、Rolexくんももう一度クローゼットから出て活躍できるかもしれないし、神様も許してくださるかもしれない。

    今までのお礼を言ってきれいに磨いたRolexくんを持って “ブランド製品 高価買取” と書かれた大きな看板のお店のドアを開いたのはその日の夕方、テレビでしか見たことのないシチュエーション、ドキドキしながらの初体験でした。

     

    後日、お気に入りの電子ピアノ(中古)を買った時、ああ  これは28年前の私から今の私へのプレゼントなんだという感慨に似た気持ちがこみ上げてきました。 ありがとう。28年前の私。 今は “ぶんぶんぶん”しか弾けないけれど、これから急がずゆっくり楽しみます!!

    ”新井顕子!! 待ってろよ!“

     

    最近、我が拙作『I am proud of myself  あなたへのおくりもの』(絵本)の冒頭に載せました詩の意味が自分で作ったにもかかわらず、より心に響くようになりました。

     

    Not yesterday,

    Not the day before yesterday,  

    But I like today.

    With all the joy and tears,

    I like the way I am now.

     

    昨日でもなく、おとといでもなく

    私は今日が好き

    喜びも、悲しみも

    全部ひっくるめて

    今が好き

     

    歳を重ねていくと、新年を迎えても、決して明るく楽しい日々が待っているわけではないことを、私たちはよく理解しています。長く続くコロナ禍、不安定な世界、破壊され続ける自然、自身や家族の体調劣化、仕事、特に一生懸命教えていた生徒が急に辞めちゃった時等々・・・心を痛めることがたくさんあります。

    でもそんな中、この詩を思い出して、今の自分、今の立場を肯定しながら今年も過ごそうと思います。

    本年もよろしくお願いします。

     

     

    追記  今年は『I am proud of myself   あなたへのおくりもの』 の絵本がアプリコット出版で再販されそうです。

    ちょっとコマーシャル。

           

     

     

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