- Vol.39 28年前の私からのプレゼント ―あなたへのおくりものー
- Vol.38 うーん…途中まではいいんだけれど、ちょっと違う??
- Vol.37 発展と進歩
- Vol.36 音楽はすばらしい
- Vol.35 心に届く言葉、届かない言葉
- Vol. 34 2020年の仕事はじめ
- Vol. 33 That’s the way it is.
- Vol.32 徒然なるままに
- Vol.31 勉強ってなあに?
- Vol.30 京都の春
- Vol.29 正確な日本語?
- Vol.28 引っ越し、執筆、講演、そして引っ越し
- Vol.27 〇月×日
- Vol.26 It's not easy to write textbooks.
- Vol.25 Even a pig climb a tree when flattered!? 豚もおだてりゃ木に登る
Vol.31 勉強ってなあに?
エイム・イングリシュ・スタジオを生徒4人から始めたのは1982年で、当時私は30歳を超えたところでした。 その後、生徒は年々増えていき、15年くらいで在籍生徒数は550名を超えました。3歳で入会して大学入学まで在籍する生徒も多く、大学に入ると、受付のアルバイトに進むことが出来ますので、長い子で19年間ぐらいのお付き合いになります。数年でやめた人も含めるとエイム・イングリッシュ・スタジオで学んだ人は2000人は超えると思います。
そんな中、一期生4人の中の一人で現在ニューヨーク在住のT君が訪ねてきてくれました。私がエイムを辞めて10年になりますが、折々に元エイム生が会いに来てくれるのはとても嬉しいことです。私は元エイム生限定でfacebook をしていますが、彼とのツーショットの写真を載せると、多くの懐かしい人からのメッセージが届きました。彼らからのメッセージは世界のどこにいても、さすが大阪出身というか、エイムで鍛えられたユーモアの精神を忘れていません。
ある日、シンガポール在住のI君が、「出張で神戸に来ました」とアップすると、すかさず、ロサンゼルス在住のMさんから「中本せんせ、その辺に住んでるからお昼ご飯おごってもらい」との書き込みが。。。 私が北海道にいる写真をアップすると、すかさず「僕の誕生日は来週ですので、北海道産のとうもろこしお願いしま~す。嫁と娘3人の分もよろしく!」との書き込みが入ります。 「丁度、北海道を旅行しています。おなかのすいたかわいそうな元生徒に飯を。。」と押しかけてきた輩もいます。
そして、今回やってきたニューヨーク在住のT君が「僕、ずーっと思ってたんだけど、どうしてエイムには変な先生しかいなかったんですか」と言ったものだから大変。元エイム生のおじさん、おばさん達が、「私もそう思ってた」「ぜったい変な場所だったよね」「あんな、楽しい大人たちをはじめて見た」「ところでエイムで英語の勉強をした覚えってないんだけど。。」「私も英語の勉強をした覚えが無い!」 今回だけでなく元エイム生が集まってパーティーをする時も、必ずこの話題に移っていくのです。「英語の勉強した?」「いや、覚えてない」「楽しかったことしか覚えてない」
読者の皆さんの誤解を避けるために敢えて書かせていただきますが、エイムの生徒達は非常に優秀でした。中学になれば地元の中学英語暗誦大会に選ばれた学生はほとんどエイム生でしたし、高松宮杯英語弁論大会の関西代表も毎年のようにエイム生が選ばれました。AFSやYFUで留学する学生も毎年いました。英検やセンター試験の結果も優秀でした。
では、なぜ、彼らは勉強した覚えが無いのでしょう。私は元生徒の現おじさん、おばさん達の話を聞いて、一人でにんまりするのです。私の教育法がうまくいった!!
エイムでは英語の単語を覚えたり、文の書き換えを無理やり覚えたりするお勉強の変わりに、たくさん、インフォメーションギャップのある活動をしました。子供達は英語を覚えるより、英語を使ってタスク(課題)を解くことに夢中になります。形容詞の語彙を覚えさせ、スペルを覚えさせるより、自分を表す形容詞をできるだけ多く探そうと持ちかけます。但し、自分を自慢する言葉を。(positive adjectives)
また、ある時は 教室内にあるものを、There is…There are …を使ってできるだけ書きだそうと提案します。但し、人が選ばなかったものを探した人はポイントが3倍になることを伝えると、子供達の目の色が変わります。desk やchair だとポイントを3倍もらえないから、dust, outlet, glasses(誰かがかけていた)など次から次へと探します。 air やoxygen、 love なんて言い出す子も出てきます。 Creative Writing もみんな夢中で課題に取り組みます。その際、子供達の創造性を認め、発想に心から感動し、その感動を伝えることがポイントです。
中学や高校になれば、英文解釈や文法問題ではなく、英文の内容についてみんなで話し合います。
(日本語でも英語でもOK)誰かが意見を言ったら、「その考えはどの箇所(英文)から、そう思ったの?」などと内容と英文を結び付けながら授業を進めます。ここでは知的でユーモアに富んだdiscussion にすること、自身の創造性を評価することがポイントです。その後、折角だから読んだ英文の中から自分が覚えたい文を5~10選んで覚えようと導きます。
エイムでは学校英語のお勉強をするのではなく、言語を楽しみたいから、子供達にActive Learning を教えたのです。
ふっふっふっ。単純な元エイム生の現おじさん、おばさん達よ! 君たちはまだ、私のすばらしい教授法に乗せられた事に気づいていないのだ!ふっふっふっ。