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- Vol.38 うーん…途中まではいいんだけれど、ちょっと違う??
- Vol.37 発展と進歩
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- Vol.35 心に届く言葉、届かない言葉
- Vol. 34 2020年の仕事はじめ
- Vol. 33 That’s the way it is.
- Vol.32 徒然なるままに
- Vol.31 勉強ってなあに?
- Vol.30 京都の春
- Vol.29 正確な日本語?
- Vol.28 引っ越し、執筆、講演、そして引っ越し
- Vol.27 〇月×日
- Vol.26 It's not easy to write textbooks.
- Vol.25 Even a pig climb a tree when flattered!? 豚もおだてりゃ木に登る
Vol.20 日本人の英語運用能力があがらない理由
現在、京都ノートルダム女子大学とアプリコット出版主催の「児童英語教師養成講座」で児童英語教育の教育法の講義を持たせていただいています。 両者とも講義の初日に必ず行うことがあります。 養成講座を受講された方はもうお分かりだと思いますが、「なぜ、中学、高校と6年間、少なく見積もって中学校で310時間 (週3回50分授業42週×3)、高校では400時間くらい英語を勉強しているのに、どうして日本人の英語の運用能力が上がらないか」を受講者全員でブレインストーミングするのです。
児童英語教育のワークショップでは、明日の授業で使うことが出来るゲームや歌を紹介することが多いですが、私は、日本の英語教育が効果を出していない原因を理解せずに、児童英語教育を始めても仕方がないと思います。少なくとも高校3年終了時の具体的な目標を持たず、「小学生だから、楽しく英語で遊びましょう」という現在のカリキュラムでは、日本人の英語運用能力の向上は望めません。
話題を戻しましょう。ブレインストーミングは、皆さんの実際経験した身近な例を積み上げ、分類し、分析するKJ法を使います。 なぜ、KJ法を使うかといいますと、この問題(英語運用能力が身につかない)は、その原因をみんな頭ではわかっていても、それがなぜか机上の空論になり、実際の英語教育の改善に反映されてきていないからです。できるだけ本当(Authentic)の、身近で具体的(pragmatic)な例を集めて、そこから受講の皆さんに英語教育の問題点と改善法を具体的に理解していただきたいのです。KJ法は小さなポストイットの紙に、なぜ英語が使えないのかの具体的な例を1行にまとめて、1人20~30例を書いていただきます。1行にまとめる理由は、2行以上になると1つ1つの例の焦点がぼけてしまったり、複数の例をまとめて書いてしまったりするからです。例えば「英語の先生が嫌いだった」「英語の先生の発音が下手だった」「英語を話す機会がなかった」「書き換えテストが嫌い」「単語のスペルテストがいやだった」「なぜ、勉強するのかがわからなかった」などです。これをグループで持ち寄り、例を分類し、分析します。その後作成したポスターと共に発表していただきます。
「なぜ、日本人の英語運用能力が上がらない理由」の分析の結果をまとめると大体どのグループも次のようになります。
社会的側面:
- 必然性に対する認識が薄い
- 多言語社会ではない (話す機会が少ない)
- 具体的且つ実質的な到達度の指標がない
情意的側面:
- 積極性に乏しい
- 英語を話すことに対するやっかみ
- 人と違った事を言う(する)ことに消極的
- 自分の意見を持たない、または表出しない
- 自分の意見を発表する訓練が行われていない
- 異なるものと共存する環境でない
教育的側面:
- 教師の英語運用能力が低い
教授法的側面
- 言語ではなく教科
- 日本人講師が作る日本人生徒しかわからない試験問題
- 使う必然性のないパターンプラクティス
- 場面が生徒の生活に則していないダイアログ
- 目的の解からない書き換え問題
- 長文読解と呼ばれる部分訳
そして、この一つ一つの問題をどう解決していくか、児童英語教育はどうあるべきかを具体的にお話し、実践することで、私の児童英語教育論が始まり、国際語としての英語、つまり英語を話す機会が少ない環境での英語教言語教育の具体的提案、その時の教師のあり方、到達度評価のあり方などに発展していきます。
今回、このエッセイで何故このテーマで書いたかといいますと、たぶん日本人全員が従来の英語教育では英語運用能力が身につかないことは承知しているのに、依然として機械的なダイアログ、文、単語の暗記のみの授業があまりにも多いことにうんざりしているからです。 暗記のさせ方にどれだけ遊びが入っていても、暗記は暗記だけです。もちろん言語教育にはinputが重要な役割を担っています。しかし、そのinput だけが重要視されてきた結果が、今の「運用力の低さ」につながることがどうして、わからないんだろう。。。。。。。。。。。。。。。
【追記】2015年6/20、21の2日間、東京駅近くの会場で「養成講座」が開催されました。上の写真はその時の様子です。前年度同様、最初は緊張の面持ちでお集まりになった先生方も、グループワークや2日目のランチ懇親会で一気に打ち解け、Akikoさんのタスクでは渾身の演技?を見せてくださいました。 (by 養成講座係)